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naka-chan

フロントガラスに落ち葉

帰省最後の日。最終便に間に合うように、夕方実家の父にサヨナラを言って車に乗り込んだ。
玄関口で父に別れの挨拶をしたにも関わらず、父が駐車場まで見送りに来る。
秋の夕暮れ、フロントガラスにはたくさん落ち葉が乗っかったまま、私は車のエンジンを急いで入れる。
ふと目をあげると、父がフロントガラスにのった落ち葉を取り始めた。
末期癌を患った父の手は細く、優しく撫でるように丁寧に一枚ずつ落ち葉を払う。
「大丈夫だよ、寒くなるからお家に早く入って」の言葉に軽く頷いた父。
バックミラーに映る父の姿が次第に小さくなり、涙とともに見えなくなった。
秋の夕暮れ、フロントガラスに貼りつく落ち葉を見るたびに思い出す父の掌。

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最終更新日:2016-11-13 22:28

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